ブロックチェーンについて読み、書き、学ぶ場所としてのMediumの圧倒的な存在感

SNS上での拡散状況分析ツール、Buzzsumoによると、ブロックチェーンについての議論が行われている場所としてのMediumの存在感が際立っていることが分かる。

市川裕康 | Hiroyasu Ichikawa
SocialCompany

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議論の起点としてのMedium。SNSでの話題占有率は約45%

ブロックチェーンというまだまだ馴染みがないテーマについて学ぼうと思った際、国内の大手メディアで紹介される機会が限られている印象もあり、どのような海外ニュースサイトを見るのがいいのか、試行錯誤をする中で気づいたことがありました。

SNS上での拡散状況を簡単に可視化することができるツール、BuzzSumoで「blockchain」というキーワードがどのようなメディアで言及されているか調べてみたところ、米国で人気のあるパブリッシング・プラットフォーム、Mediumが直近1年間では約45%と、圧倒的に高い影響力を持っていることが分かります。

左が直近1年間、右が過去5年間で調べたデータ(「blockchain」を含む記事でSNS上で話題になっているメディア)BuzzSumo調べ

上記のBuzzSumoのチャートはSNSでのシェア、リツイート、いいねなどのエンゲージメントレベルを数値化したものになります。サイトの閲覧数などはTechCrunch、CNBC、Wiredなどのほうが多いのかもしれません。が、少なくともSNS上でのシェア、いいね、リツイートなどの規模においては、Mediumの存在感が高いことが分かります。

水色で示されるMediumの占有率は、過去5年間(右側)のデータに比べ、直近1年間(左側)において更に高まっていることも分かります。また、他の媒体の順位もほぼ変わらないことも分かります。2位がコインテレグラフ、3位がコインデスク、ユーチューブを挟んで4位にフォーブズ、そして5位にノルウェーに拠点を持つクリプトコインズニュース(CNN)というニュースサイトが上位にランクしています(経済メディアのCNBCは7位、TechCrunchは11位)。

Mediumの投稿で論破され話題になったワシントン・ポストの記事

こうした傾向を示すMediumの投稿が先日話題になっていました。ワシントン・ポストのコラムニストが書いた「Bitcoin is still a total disaster(ビットコインはいまだに全く壊滅的である)」という記事を取り上げ、この記事に代表されるように、メインストリームのメディアがいかに的外れであるか、ということを一行一行反論を加えながら論破しているのです。

タイトルは皮肉たっぷりにMedia Coverage of Bitcoin is still a total disaster (ビットコインについてのメディアでの取り上げ方はいまだに全く壊滅的である)として猛烈に反発しています。内容を読む限り、理路整然と論が展開されていて、納得のいく説明、データが次々に提示されています。自分はまだ正確にこの議論を評価するまでにブロックチェーンの本質を理解できてないのですが、圧倒的に論破されている様子は伝わってきます。

ブロックチェーンのような新しい事象のことを学ぼうとする際、大手伝統メディアを盲目的に信じてしまうことの危険性を感じる事例といえるのではないでしょうか。もちろん、正確で大事な議論を掲載しているライター、筆者も数多くいることも認めた上で、目利き力を身につけなければ、と感じるところです。

ワシントン・ポストの元記事をノーベル賞受賞者であるポール・クルーグマンがリツイートをしていることも注目です。コメントとして、
愚かなリバタリアンがビットコインを推進していることを示す非常に素晴らしい説明だ』と指摘していて、ツイートに対しては辛辣なコメントが数多く寄せられていることが分かります…

ちなみに、同様の方法で日本語での「ブロックチェーン」という言葉を含んだ記事がどのような媒体で取り上げられているか、調べてみました。

左が直近1年間、右が過去5年間で調べたデータ(「ブロックチェーン」を含む記事でSNS上で話題になっているメディア)BuzzSumo調べ

直近1年間のデータ(左側)を見ると1位に日経新聞電子版、2位にITメディア、3位にコインテレグラフ、4位にBusiness Insider、5位にNewsPicksと続きます。TechCrunchは8位、Wiredは10位、そして、日本では実はあまり利用者が多くないと言われているMediumが12位にランクされていることには正直驚きました。*このブログもMediumで書いてます☻。

国によってメディア環境が大きく異なる、ということを改めて実感する結果でした。そして思ったよりも国内においてMediumの存在感がこの分野においてはあることが新鮮でした。個人でも自由に発信できる場所として、今後どのように展開していくのか、自分もささやかながら役割を果たせるよう、Mediumの注目の記事の概要を紹介、自分なりの理解をアウトプットすることも含め、今後学びを深めていきたいと思います。

Mediumに関してはぜひ以下の記事をご参照ください:)

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市川裕康/ ichi /media consultant passionate with #climatechange | #気候変動 #クライメートテック 関連調査・コンサルテイング https://bit.ly/climatecuration